津村巧の

カメラ図鑑

TAKUMI TSUMURA'S

CAMERA GUIDE

 

ホームページ

日記・掲示板

 

 

 

津村巧のカメラ

ボディ編

 

ここで紹介されているカメラは津村巧が所有する、

もしくは所有していた一眼レフカメラのボディです。

 

このセクションのカメラ

 

 

 

 

 

NIKON D200

製造国

タイ

発売時期

2005年12月

希望小売価格

オープン

種類

デジタルAF一眼レフ

レンズマウント

ニコンFマウント

シャッター速度

1/から1/8000秒

内臓ストロボ

電池

 

寸法、重量

147 x 113 x 74 mm

830g

 

 ニコンにとって初の普及型一眼レフD100は、非常によくできたカメラだったが、発売は2002年6月。

 発売当時は「世界最小デジタル一眼レフ」を名乗っていたが、その後他社が続々とデジタル一眼レフを発表。

 D100は、発売からたった3年で古さが際立つようになっていた。

 ニコンはD70(事実上D100のリメーク)を提供するなどしていたが、D70はラインアップ的には所詮エントリー機で、より高いレベルのデジタル一眼レフを望むユーザーのニーズには応えられないでいた。

 2005年12月。

 ニコンは満を持してD100の後継機種を発表。

 それがD200だった。

 D100は、ニコンのラインアップ的には上級クラスだったが、ベースは中級フィルム一眼レフのD80。シャッターユニットは中級クラスで、ボディもプラスチック。デジタル一眼レフの黎明期には他に機種が存在しないので上級を名乗れたが、デジタル一眼レフが一般的になりつつあり、続々と新機種が発表されていた2005年には上級を名乗るには無理があった。

 D200には、先に販売されたプロ用機種D2Xの技術も搭載された上、ボディが金属製(マグネシウム合金)になり、防滴・防塵仕様になり、画素数も1000万を超え、シャッターユニットもより精度が高いものが搭載され、上級クラスを名乗っても恥ずかしくない物に仕上がっていた。

 D100が販売された頃は、フィルム一眼レフは一応現役で、ニコンもフィルム一眼レフをまず開発した上でデジタル一眼レフを開発することが迫られていた。が、D200の頃にはニコンはフィルム一眼レフから事実上撤退しており、フィルム一眼レフへの転用に配慮せずに一からデジタル一眼レフを開発できたようである。

 ニコンは技術を出し惜しみせずに新製品に搭載する傾向があり、一部の機能は先に販売された上級クラスの機種を上回ることが多い(いわゆる下克上現象)。D200もその例に漏れず、使い勝手などはたった半年前に先行して販売されたD2Xを上回る部分もあった。

 そんなこともあり、他社がその後様々な機種を発売してもD200は陳腐化せず、後継機種のD300が2007年11月にバトンタッチするまで高い人気を誇った。

 D200以前にもデジタル一眼レフは各メーカーによって発表されていたが、「デジタル一眼レフとしては悪くないとしても、『カメラ』としては今一つ」というのが多かった。その中で、D200は「デジタル一眼レフ」としても、「カメラ」としても納得がいくものに仕上げられていた。

 デジタル一眼レフが「デジタル機能を付け加えたカメラ」ではなく、「デジタルこそカメラ」と認識されるようになったのも、D200の功績の一つと言える(D200以外にも貢献した機種はあるが)。

 現在、一眼レフというとデジタルを指し、フィルムを使う一眼レフの方が逆に「フィルム一眼レフ」と称さなければならなくなった。

 

 自分がD200を購入したのは2008年9月。既にD300が販売されてから1年余りが経ち、D200が正式に生産終了になったばかりの頃。

 ニコンダイレクトで98000円で販売されていたので、買うことに。

 D300が店によっては15万円程度で買えるようになっていたので、最新のD300を買った方がいい、の考えもなくもなかったが、D200という機種そのものに魅力を感じていたし、D300もいずれ後継機種が出たら買えばいいと判断し、D200を購入(思えば、D100D70もモデル末期に買っている)。

 ニコンから直接買ったので、生産終了品とはいえ、品質は保証されている(と思う)。

 

長所

1. 金属外装になったお陰で、D100と比べてずっしり感、がっしり感があり、質感が高い。所有しているだけで満足できるカメラに仕上がっている。

2. 5コマ/秒で最大54コマまでの連射が可能。

3. 防滴・防塵仕様。

4. 画素数は1020万。D100D70の600万から大幅にアップ。

 

短所

1. 電池持ちが悪い。D100D70は異常に思えるほど電池持ちが良かったが、D200は高画素化、高速化により、電池を食うようになったらしく、以前のように「予備電池を殆ど必要としない」ということはなくなってしまった。D100をそもそも選んだのが電池持ちの良さだったので、残念である。後継機種のD300は、省電化が進み、電池持ちは若干改善しているという。

2. 製造国がタイ。タイで製造されているから品質が劣っている訳ではないが、やはり心配(以前日本メーカーの海外製品で酷い目に遭ったので)。エントリー機はともかく、上級機は国内産にしてほしい。国内産でも、外国人を使って組み立てていたら、結局同じだろうけど。

3. バッテリーグリップのMB-D200はプラスチック製で、せっかくの金属ボディと不釣合い。D300のバッテリーグリップはボディと同様マグネシウム製に改められた。

4. 新型バッテリーの採用。D100D70用のバッテリーが使えず、D100D70ユーザーは予備バッテリーなどを新たに購入し直さなければならない。前述したように、D200はバッテリーの持ちがあまりよくなく、予備バッテリーは必至なので、尚更である。D200をなかなか買わなかった理由の一つ。(逆にD200のバッテリーは、D100D70で使える)。

5. ゴミ問題に未対応。センサーはゴミが付着し難いものになっているというが、能動的にゴミを対処する機構はなく、頻繁なレンズ交換は避けたくなる。

 

  

24-120VRを装着した状態のD200

シャッターボタン周辺。後継機種のD300では、デザインがもっとシンプルなものになってしまった

 

  

D200ボディ

いわゆる三つ葉ボタン。D70のようなシーンダイヤルはない

 

  

ペンタ部

 

  

裏面

液晶ディプレイ

 

  

MB-D200を装着した状態

 

 

T O P

 

NIKON D300

製造国

タイ

発売時期

2007年11月

希望小売価格

オープン

種類

デジタルAF一眼レフ

レンズマウント

ニコンFマウント

シャッター速度

1/から1/8000秒

内臓ストロボ

電池

 

寸法、重量

147 x 114 x 74 mm

825g

 

 D100からD200へモデルチェンジした際は、期間が3年半と比較的長く、デジタル一眼レフの技術が日々向上していた時期でもあった為、劇的な変化が感じられた。

 ただ、D200がデジタル一眼レフとしても、単なるカメラとしても完成度が純粋に高かった為、後継機種がなかなか登場させられない、というジレンマに陥った。下手に新モデルを発表しても、「単なる手直しじゃないか」と批判されてしまう。

 モデルチェンジは別方面でやって来た。

 フラグシップのD1桁のモデルチェンジである。

 D2系の後継機種として、D3が販売されたのである。D2系はAPSサイズ(約24X16ミリ)のセンサーを採用していたが、D3はフルサイズ(24X36ミリ)のセンサーを採用。フルモデルチェンジを名乗るのに相応しい進化を遂げていた。

 一方で、D1桁がフルサイズセンサーへ移行した事で、APSサイズセンサーカメラの使用者にも配慮する必要が生じた(APSサイズセンサーに特化したレンズは、フルサイズではクロップされた状態で撮影されるので、全てのAPSサイズセンサーカメラのユーザーが即座にフルサイズセンサーカメラに移行する事は期待出来ない)。

 そんな事もあり、D200の後継機種――D300――は、APSサイズセンサーのフラグシップ、という位置付けがなされた。

 ニコンは、フラグシップを2種類提供する、という名目で、D200の改良版を出すのではなく、フルモデルチェンジに踏み切ったのである。

 D300は、D200と同様、APSサイズセンサー機種だが、一応フラグシップという事で、これまではD1桁でしか採用されていなかった視野率100%のファインダーを採用。また、これまで他のデジタル一眼レフでは一般化しつつあったセンサークリーニング機構を搭載。背面スクリーンも大型化した。画総数も1020万画素から1230万画素へとアップ。

 機構的に見ると、D300とD200に劇的な差はないが、ニコンラインアップのヒエラルキー的には、D300はD200より一段(半段?)高いものとなった。

 D300は、ニコンの真のフラグシップであるD1桁にはあこがれるもののボディ本体の価格や、フルサイズセンサーシステムを使用する事によって伴う追加コスト(レンズをフルサイズ専用に買い直さなければならない)を考えるとAPSサイズセンサーのものに留まるしかない、けれどもフラグシップはやっぱり欲しい、というユーザーらの我がままなニーズに見事応えた。

 これが、ニコンが意図していた事なのか、偶然が成功を生んだのかは不明だが、「フルサイズセンサーでなくてもフルサイズは可能」という慣例が出来た(これまでもAPSサイズセンサーのフラグシップはあったが、縦位置グリップ付のボディで、価格も高く、アマチュアが持ち歩くには大袈裟過ぎた)。

 本機をきっかけに、ペンタックスはK-7(そしてその後K-5)、キャノンはEOS7Dを販売。APSサイズセンサー、視野率100%ファインダー、金属外装、防塵防滴仕様の上級デジタル一眼レフ、というジャンルが出来たのである。

 D300はD200以上の完成度を誇った事もあり、ニコンは2年後フルモデルチェンジさせる代わりにD300sという動画機能を強化したマイナーチェンジモデルを発売した。

 D300系は当分続くらしい(実世界ではなく、ドッグ・イヤーのデジタル世界においての「当分」だが)。

 

 自分がD300を購入したのは2010年10月。既にD300の後継機種D300Sが販売されてから半年程度経ち、店頭からD300が消えていた時である。ニコンダイレクトで、「整備済製品」としてD300のレンズキット(18-200ミリズームレンズ)が14万円で売り出されていたので、少々悩んだ末に購入。

 整備済製品は、一旦出荷されたものが何らかの原因(初期不良など?)でニコンに戻り、整備された物、とのことだった。外観上は傷があるかも知れないが、機能面では問題ないのでご了承下さい、となっていたので、多少の傷は覚悟していたが……。

 入手出来たD300は、全くの新品で、どこがどう整備されたのか、さっぱり分からなかった(単なる開封品だったのかも)。よい買い物をした、と満足出来た。

 マイナーチェンジモデルのD300Sが既に販売されているが、D300とD300Sの違いは動画機能搭載、ライブビュー機能強化、ダブルカードスロット程度。このクラスのデジタル一眼レフでライブビューや動画は意味がない(動画を録画したいならいっそビデオカメラを買ってしまった方がいい)、と感じている自分にとって、D300Sの追加機能は不要。ダブルカードスロットも、CFが2枚入るのではなく、CFとSDカードが1枚ずつ挿入できる、というもの。CFカードが2枚入るならそれなりに良いが、SDカードはあまり好きでないので、意味がない。

 D300は、カードスロットの開閉がターンスイッチ式で「プロ機」らしいのに、D300Sはスライドカバーになっていて(動画機能スイッチを設けるスペースが必要だったらしい)、安っぽい。その意味でも、D300SよりD300の方が自分には魅力的に映る。

 自分からすると、D300こそデジタル一眼レフの完成した姿。

 これ以上あれこれ機能を付けても、使い難くなるだけの気がする。

 

長所

1. 金属外装。

2. 6コマ/秒で最大100コマまでの連射が可能。

3. 防滴・防塵仕様。

4. 画素数は1230万。

5. センサークリーニング機構をようやく搭載。レンズ交換も不安なく出来る(手元に交換するレンズがないのが辛い)。

6. 3.0型92万画素背面画面。D200は2.5型23万画素だった。D200の背面画面も悪くはなかったが、D300のを見た後は古さを感じる。

 

短所

1. 電池持ちが悪い。といっても、D200からするとかなり改善されている。

2. 製造国がタイ。タイで製造されているから品質が劣っている訳ではないが、やはり心配(以前日本メーカーの海外製品で酷い目に遭ったので)。エントリー機はともかく、上級機は国内産にしてほしい。国内産でも、外国人を使って組み立てていたら、結局同じだろうけど。

3. 新型バッテリーの採用。D100D70用のバッテリーが使えず、D100D70ユーザーは予備バッテリーなどを新たに購入し直さなければならない(後に発売されたD7000では、また新たなバッテリーが採用されたらしい)。

4. 高画素。本機は最高画質が1230万画素にもなる。自分がこれまで使用していたフォトリタッチアプリだと、「画像が大き過ぎて開けません」というエラーメッセージが表示されてしまう。画素数が多い事が良い事だ、と未だに一部では言われているようだが、それに伴ってパソコンやソフトに負担(そして出費)がかかるようでは、有難味がない。カメラメーカーには、無駄な部分に労力を注ぐより、AWBやAF精度を高める事に力を注いで欲しい。

5. 全体のデザイン。D200とD300は、パッと見には見分けが付かないが、細かく見ると違いが。特にシャッターボタン周り。D200はシャッターボタン周辺にプレートがはめ込まれ、デザイン上のアクセントになっていたが、D300では一体型になっている。D200では大きい楕円形だった露出補正ボタンが、D300では単なる円形になっている。一体型デザインは耐久性を考えて、円形ボタンは防滴・防塵性を考えてそうなったと予想されるが、あまりにも工夫がない。この部分だけにおいては、D200が新型で、D300がむしろ旧型に見えてしまう。

 

  

D300。シャッターボタン周辺。前部

 

  

三つ葉ボタン。背面軍艦部液晶画面

 

  

背面。D100との比較(上がD100)。D100の方が大きく見える。背面画面の大きさの違いには驚かされる

 

   

D200(左側)との比較。前部は殆ど同じ。背面は、背面画面の大きさが異なる以外はほぼ同じ

 

 

 

T O P

 

ニコン・デジタル一眼レフ比較テスト

 ニコンD100、D70、D200、D300の4台で、同じ風景を可能な限り同条件で撮影。

 それぞれの特徴を掴む事を目的とした。

 いずれもプログラムオート、プログラムAE、ISO200、ホワイトバランスオート、に設定。

 焦点距離は28ミリに設定(35ミリフィルム換算で42ミリ)。

 有効画素数は、D100とD70は600万、D200が1000万、D300が1200万と幅があるので、画像は全てラージ、ファインで撮影したものを同サイズにリサイズした。

 

左上から右下:D100、D70、D200、D300

 

 D100は非常にアンダー気味に写った。

 D70はD100より露出は適正。ただ、それでも実際より暗めに写っている。

 D200は、色調が派手。フィルターの必要性を感じない。「ニコンは写りが地味」という声に応え過ぎたか。

 D300は、実際に最も近い形で写っている。廊下櫓の部分が白飛び気味だが、日光による反射が強かったので、裸眼でもこの様に見えた。

 

 新しい物程フルオートでも綺麗に写る感じ。

 D300に至っては、通常撮影においては下手にWBや露出を変更せず、全てカメラ任せでシャッターを切るのが良いのではと思ってしまう。

 

 ただ、使用したレンズはカメラキャップ代わりに装着しているものをそのまま使用したので、完全な同条件での撮影とは言えない。シャッター速度にも大きな差がある(D100はシグマ、D70はタムロン、D200とD300はニコン純正)。

 レンズを統一した上で撮影していたら(D300以外はゴミ問題を心配せねばならない)、また別の結果が出ていたかも。

 

D100 567X375ピクセル

とにかく暗く写っている。色調調整をするときちんとした絵になる

 

D70 567X375ピクセル

D100と比較すると明るく写っているが、それでも撮影時の天候を考えるとまだ暗め。色調も地味

 

D200 567X375ピクセル

D70と比較するとビックリする程派手。どきついと感じる程。色調補正は一切必要としない。

 

D300 567X375ピクセル

裸眼で見た風景に一番近い色合い。その分、白飛び気味の部分も

 

 

T O P

 

PANASONIC LUMIX DMC-GF2

製造国

日本

発売時期

2010年11月

希望小売価格

オープン

種類

デジタルAFミラーレス一眼

レンズマウント

マイクロフォーサーズマウント

シャッター速度

 

内臓ストロボ

電池

 

寸法、重量

112.8 x 67.8 x 32.8 mm

265g

 コンパクトデジタルカメラが頭打ちになる事が予想出来た大手電機メーカー・パナソニックは、成長性のあるデジタル一眼レフ市場に参入しなければならないのは理解していたが、全く新たなシステムを開発するには技術・経験がないのは充分理解していた。

 ライバルのソニーは、カメラ事業から撤退したコニカミノルタのαシステムを引き継ぐ形でデジタル一眼レフ市場に参入したが、パナソニックにはその選択肢がなかった為、オリンパスが提唱する新マウントシステム「フォーサーズ」への参入を表明。

 オリンパスにしても、フォーサーズを「オープン規格」としながらも採用する他メーカーがなかなか現れていなかったので、パナソニック参入は渡りに船だった。

 ただ、一眼レフをこれまで生産していなかったパナソニックにとって、欲しかったのは「デジタル時代のレンズ交換式システムカメラ」であり、「レフ」ではない。そんな事から、一眼レフの最大の特徴である筈のミラーを省いたシステムを要求。

 オリンパスも、「レフ」の市場はキャノン・ニコンの二大メーカーがほぼ独占していて、その牙城を今更崩すのは不可能に近く、仮に崩したところで将来性がある訳ではないのは痛感していた。

 そんな背景から、オリンパス・パナソニック陣営はフォーサーズのセンサーを利用しながらも、フランジバックを短くし、ミラーを省いてライブビューを前提とした「マイクロフォーサーズシステム」を発表。両メーカーはそれぞれマイクロフォーサーズの「デジタル一眼(『レフ』は付かない)」を販売し始めた。

 パナソニックは、従来の一眼レフスタイルのG1を皮切りに、フルハイビジョン動画記録に対応したGH1等、マイクロフォーサーズのデジタル一眼を発表。

 ライブビューファインダーを省略して、コンパクトカメラ風にまとめたGF1を発表。その後、継機種として、GF2を発表した。

 GF1はカメラ上級者も満足させる機能が搭載されていたがGF2はより初級者寄りに改変され、GF1にはあった上部コマンドダイヤルが廃止。代わりにタッチセンサーが搭載された。

 その後、一層小型化・簡素化されたGF3が後継機種として発表され、GF2は生産終了に。しかし、GF3が丸っこい、まさに「女子向き」カメラになってしまった為、角ばったデザインのGF2は幾分見直される様に。価格が下がっている事もあり、新しいGF3ではなく、あえてGF2のデッドストックを指名して購入する者も多い。

 コンパクトさが高い評価を得ていたGF1に続くシリーズが「女子カメになってしまった」という批判を受けてか、パナソニックはGF1ばりのコマンドダイヤルを復活させ、金属外装にする等高級コンパクト路線を行く新デジタル一眼GX1を発表した。

 パナソニックは、レンズ交換式システムカメラの分野においては後発ながらも、いわゆる「ミラーレス一眼」の分野では先駆者としてシェアを伸ばしている。

 

長所

1. デジタル一眼レフ(ミラーボックスのあるレンズ交換式カメラ)と比較するとコンパクトで、鞄に入れて常時携帯しても然程苦ではない(鞄がかなり重たくなってしまってはいるが)。

2. フォーサーズセンサーはAPS-Cより小さいので、APS-Cよりは画質で劣るが、コンパクトカメラのセンサーより断然大きいので、コンパクトカメラより「本格的」な写真が撮れる。

3. ゴミ対策を最大の売りとするフォーサーズとあって、ゴミ除去機能は他システムより期待出来、レンズ交換も気軽に出来る。

4. 日本製。「Made in Japan」に昔程の価値はないが、それでも中国製より信頼出来る(フォーサーズ陣営の大元であるオリンパスが振るわないのも、中国製のしかないのが一つの原因だろう)。

 

短所

1. 電池持ちが悪い。ライブビュー前提で、センサーも大型なので、コンパクトカメラに慣れていると電池の減り具合に驚く。

2. 作動音。シャッター音が意外と大きい。デジタル一眼レフと比較すると小さいが、ほぼ無音のコンパクトカメラと比較するとかなりうるさく感じ、静かな場所だと気になる。

3. タッチセンサー。自分が今回より安いオリンパス製品ではなく、GF2を購入したのは、タッチセンサーでシャッターを切れる、というのが一つの理由だった。電器屋で試していた時は、「これは使える」と思っていたが、いざ本格的に使い始めると使い難い、と判明。撮影の時はカメラを両手で保持するのが正しいが、タッチセンサーを使おうとすると片手で保持する形になってしまい、不安定になる。また、指先でタッチセンサーをタッチする際、タッチしている部分が指で隠れてしまい、シャッターが切れる時きちんとピントが合って切れているのか分からない。撮影後に一々再生して確認しなければならず、面倒。また、タッチセンサーをオンした状態では、カメラを下手に掴むと意図していないのにシャッターが切れてしまう事も。といって、タッチセンサーを一々オン・オフしていると誤操作する(タッチセンサーをオフにした状態でタッチスクリーンを触るとフォーカスエリアの移動画面に移行してしまう)。結局タッチセンサーは使わなくなってしまった。

4. マクロモード。コンパクトカメラの様な接写は、レンズキットのレンズそのままでは不可能。クロースアップレンズを装着しなければならない。ただ、クロースアップレンズを装着するとカメラが接写専用になってしまう(クロースアップレンズを装着すると、老眼状態になり、遠くのものにピントが合わなくなる)。また、市販のクロースアップレンズはフィルター径52ミリ(14-42ミリレンズ)のはあるが、フィルター径46ミリ(14ミリパンケーキレンズ)のはないので、パンケーキレンズでの接写撮影が出来ない。したがって、せっかくのパンケーキレンズの出番は殆どなく、GF2のコンパクト性があまり活かせない。

5. 動作の鈍さ。デジタル一眼レフに慣れていると、GF2の動作の遅さには驚かされる。コンパクトカメラと殆ど変わらない。特に再生する際の間にはイラッとさせられる。このカメラを使っていて、自分がそもそも何故分不相応なデジタル一眼レフを購入したのか、改めて思い出した。

 

 コンパクトカメラに限界を感じ、自分としては初のミラーレス、初のニコンFシステム以外のシステムに手を出したのだが……。

 たしかに、コンパクトカメラより良い画像を吐き出してくれるが、コンパクトカメラ並みの接写は無理なので、コンパクトカメラをお蔵入りに出来るものではない。

 一方、デジタル一眼レフに取って代わるには電池持ちが悪く、レスポンスも悪い。撮影していて「気持ちがいい」という気分にはさせてくれない。

 帯に短く襷に長しを地で行っている感じで、現在はコンパクト(COOLPIX S52)・ミラーレス(GF2)・デジタル一眼レフ(D300)の3台体制になっている。

 

  

 

  

 

   

 

 

T O P

 

inserted by FC2 system