津村巧の城巡りのページ006

津村巧の

TAKUMI TSUMURA'S

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城006

	安土城	長浜城
二条城	伏見城	淀城
勝竜寺城	大坂城	岸和田城
岡城	臼杵城	大友館

　

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安土城
全景。摠見寺の三重塔。天守台内部
別名
所在地	滋賀県近江八幡市安土町下豊浦（市町村合併前は滋賀県蒲生郡安土町豊浦）
種類	平山城
築城者	織田信長
築城年	1576年
遺構	本丸、二の丸、石塁、天守台
初訪問	1996年
備考	安土城は、織田信長が天下統一を更に進める為、琵琶湖に突き出た安土山に築いた（築城当時、安土山は三方が湖に囲まれていたが、現在は三方とも埋め立てられている）。宣教師がヨーロッパの城より立派だと感嘆した程豪華な城だった。が、完成から三年後、本能寺の変のゴタゴタで焼失してしまった。　信長の祟りを恐れてか、徳川幕府さえ手を付けず、城跡は荒れるままになった。本格的な調査が始まるのは昭和に入ってからである。　江戸城天守と、豊臣大坂城天守の姿は比較的正確に分かっているのに対し、安土城天守の姿は明らかでない。安土城を描いた絵が存在し、そこには天守も描かれているが、正確ではないらしい。ローマ法皇に送られた図が見付かれば明らかになるだろうと言われているが、その屏風が見付かる可能性は低そうだ。　そこで論争が起こった。幻の名城の天守はどんな姿だったのか。　評判になったのが内藤晶氏の、不等辺八角形の天守台一杯に建てられた、吹き抜けのある天守である。これを最初に見た時、まさに新しもの好きの信長の城だと思ったものである（町内の資料館の模型もこれを基に作成されている）。　最近は、この説を疑問視する学者も多い。吹き抜けにすると構造上の負担が大きくなり過ぎるし、天守台一杯に建てられていたというのは有り得ないと。　他の大名は天守という建築物を真似たにも関わらず、吹き抜けという建築様式を真似たという話はあまり聞かないので、この説は説得力がある。　不等辺八角形の天守台も、元は方形だったものを積み直す際、八角形にしてしまったという説もあるから、ますます内藤氏には不利だ。　しかし、不等辺天守台に立つ岡山城天守は、安土天守を真似たという。内藤氏が間違っているとしたら、岡山城天守はなぜ安土城天守を真似たと言い伝えられるようになったのか。　この点を見ても、どれが正しいと断言出来そうもない。幻の名城だから、分からなくてもいいのかも知れない。　信長は、天下統一へ近付く度に城を代えた。清洲城、岐阜城、小牧山城など。安土城も『通過点』の一つで、中国地方の制圧後は現在の大阪辺りに城を築くつもりだったらしい。しかし、安土城は信長にとって『終点』になってしまった。天下統一の大事業は、他人の手に渡ってしまうのである。
感想	安土城があった時代は京の都より栄えたという町も、現在は田畑の多い田舎町に過ぎない。　安土城は安土駅からかなり離れたところにあるが、駅前にはレンタサイクル店があるので、それを利用すればスイスイ行ける。　城内は無料である。　安土山はそれ以前の山城と比較して低かったから「平山城」に分類されているが、後に築かれた平山城と比較すると山城に近い。　安土町には信長や安土城に関する資料館がいくつもある。　安土山の側にある一段と高い山が観音寺山で、ここに観音寺城があった。　安土駅の隣は近江八幡駅。この側の八幡山にあるのが近江八幡城である。　英語版はこちら。追記：　2005/05に再訪。9年振りに天守台まで上った。整備はかなり進んでいて、あっと言える間に天守台に到達していた。追記：　2014/04に再訪。　有料（500円）になっていて、その為か登城ルートが一つになってしまっていた。　要するに、摠見寺の門を潜って登る事は出来なくなっている。
2005年　　　　城内の摠見寺（門、三重塔）　　　本丸。天守台入り口　　全景。大手道。黒鉄門付近と二の丸石垣　　二の丸への石段。石段から黒鉄門方面を振り返る　　　二の丸から見上げる天守台。摠見寺三重塔　　全景。大手道　　大手道を振り返る。大手道の石段として使われていた石仏　　石垣からトカゲが。大手道横の邸宅跡　　黒鉄門付近と二の丸石垣。黒鉄門方面へ振り返る　　二の丸への石段。黒鉄門方面へ振り返る　　二の丸にある信長公廟所　　二の丸から望む天守台。天守台石垣と本丸　　天守台内部。摠見寺三重塔

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長浜城
模造天守。天守台跡
別名	今浜城
所在地	〒526　滋賀県長浜市公園町10-10
種類	平城（水城）
築城者	羽柴秀吉
築城年	1575年
遺構	本丸、模造天守三層五階コンクリート
初訪問	1997年（2014年再訪）
備考	長浜はかっては今浜と呼ばれていて、京極高氏がこの地に城を築いたという。　織田信長の下で懸命に使えた羽柴秀吉は1573年、この地を与えられた。秀吉はこの時点で一国一城の主となったのだ。木下姓を羽柴に改めたのはこの時である。　秀吉は長浜城を拠点に各地に出陣するが、本能寺の変の後、秀吉は別の地に移され、代わりに柴田勝豊が入城した。　柴田勝家との跡継ぎ争いでは、秀吉は自ら築城した長浜城を攻め、勝豊を降伏させた。　長浜城はそれから城主が次々変わったが、1615年に彦根城が新たに築城されるに当たって廃城となり、資材の大部分は彦根へと移された。
感想	長浜駅から陸橋を渡って行く。駅から天守が望めるので、初めてでも難なく行ける。　城内の天守は模造で、歴史的根拠はない。真っ白な三層天守は、黒い天守を好んだ秀吉のイメージにはそぐわない。城内は公園となっていて、無料で入れるが、資料館となっている天守は有料。追記：　天守が実際建っていたとされる場所は、模造天守から少し離れた、水辺近くの小高い丘にある。　そこには、天守台跡の碑と、秀吉の像が建てられている。
1997年模造天守 2014年　　模造天守。天守台跡の秀吉象。琵琶湖と模造天守　　琵琶湖から望む模造天守。模造天守（東側から）　　模造天守　　天守台跡　　琵琶湖と太閤井。琵琶湖から望む模造天守　　模造天守（東側から）

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二条城
西南隅櫓。東南隅櫓。北大手門
別名	二条新御所、二条新屋敷
所在地	〒604　京都府京都市仲京区二条通堀川西入ル二条城町541
種類	平城
築城者	徳川家康
築城年	1603年、1626年改築
遺構	本丸、二の丸、石塁、濠、天守台、二の丸御殿（国宝）、櫓二、大手門、唐門
初訪問	1984年（2014年再訪）
備考	二条城の始まりは織田信長が室町将軍足利義昭の為に築いたものだといわれている。これが現在の平安女学院の敷地に築かれた旧二条城である。義昭を追放すると、信長はその城を廃して、別の地に新たな二条城を築いたと伝えられているが、それがどこにあったのかは定かではない。　現在、二の丸御殿がある徳川幕府の二条城は三番目の二条城ということになる。　……と思っていたら、家康の前に秀吉も二条城を築城したらしい。つまり、二条城は四つあることになる。　また、信長が築いた二条城の正式名称は明らかでなく、『信長二条城』は現在の研究家らが勝手に付けた名である。　……こんな訳で、何が何だか分からない。
感想	二条城は自分が初めて訪れた城である。ただ、その時は「城＝天守」と考えてばかりいたので、天守のない二条城にはちょっとガッカリした覚えがある。今思えば馬鹿だった。　二条城は二の丸御殿が残っている。大戦まで残っていた名古屋城本丸御殿が消失した以上、この御殿は幕府の御殿建築としては唯一のものである。　幕府の城とあって、普請で建てられた。その為か、二層隅櫓も他の城の三層天守とほぼ同じ規模である。　城内には、料金を支払わなければ二の丸にも入れない。自分が行った時、入場料は500円だった。　英語版はこちら。追記：　2005/05に再訪。入城料は600円になっていた。　保存の為か、二の丸御殿の中の絵画の多くが模写品と交換されていた。
2005年　　東南隅櫓。東大手門国宝二の丸御殿 2014年　　西南隅櫓。北東の石垣。東南隅櫓　　西南隅櫓　　西南隅櫓と濠。北大手門　　北東の石垣。東南隅櫓と東大手門

伏見城
別名	指月城、木幡城、桃山城
所在地	京都府京都市伏見区桃山町
種類	平山城
築城者	豊臣秀吉
築城年	1592年
遺構	鉄筋コンクリート5層5階模造天守
初訪問	1984年
備考	伏見城は豊臣秀吉によって二度建てられた。最初の城は月見のカラクリと呼ばれるようになる。明からの大使を迎える為に急ピッチで進められたらしい(1年弱で完成した)。大使を迎える前に地震で破壊され、結局大坂城で向かえることになったらしいが(天守の上部が転げ落ち、多数の死亡者が出た。秀吉も間一髪で逃れた)。この後、場所を移して再建されることになった。この時は急ぐ必要はなかったので、2年かけて建てられた。　秀吉の死後、城は徳川家康の手に渡った。これを隠居城として使う計画もあったらしいが、家康は駿府城を隠居城として使ったので、無用になる。結局、豊臣家のが建てた城を残す訳にはいかない、という理由で取り壊されてしまった。石垣まで完全に壊された。現在、城らしいものは石塁の残骸だけである
感想	自分が初めて見た天守。天守のない二条城を訪問した後に見た。今思えば模造天守なので（場所も違う）、価値は殆どないが、当時は感動した。　今となってはわざわざ行くまでもない。

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淀城
僅かに残された石垣
別名
所在地	京都府京都市伏見区淀本町
種類	平城
築城者	豊臣秀吉
築城年	1589年
遺構	石塁の一部
初訪問	1996年
備考	淀城は秀吉によって建てられた。鶴松を生んだ淀殿の為である。しかし、鶴松が間もなく死ぬと、淀城を廃し、伏見に城を移した。1594年、完成からたった5年である。　1622年、秀忠は松平定綱に命じて新淀城を築かせた。城は5層天守に小天守が4基あった。　当初、伏見城の天守が移される予定だったので、それに合わせて天守台が築かれたが、伏見城天守は二条城に移された。代わりに二条城の天守が淀城に移築されたのである。天守台は、元二条城天守には広過ぎたので、四隅に小天守を設けた。この天守は1756年、落雷によって焼失している。
感想	淀城跡は、淀駅の目と鼻の先にある。というか、駅が淀城跡内にあるらしい。　淀城は完成当時はかなりの規模で、複雑な濠が設けられていたが、現在は殆どが埋め立てられ、市街地と化している。城内にいると城内にいるとは気付き難い。城の外に出て、石垣を見て、「ああ、さっきいたところが城だったのか」と納得するのである。　入場が無料なのがせめての救い。

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勝竜寺城
模造建築
別名
所在地	〒617　京都府長岡京市勝竜寺13-1
種類
築城者	松永氏
築城年
遺構	本丸、濠、模造建築
初訪問	1997年
備考	勝竜寺城は松永氏などが居城としていたが、1568年に織田信長に攻められ、落城した。1582年の本能寺の変後、明智光秀が入ったが、光秀が山崎合戦で秀吉に破れると秀吉の城となる。秀吉は淀城築城に勝竜寺城の石材を利用した為、廃城となった。
感想	現在は公園となっている。長岡京市は1300年前に都が置かれていた場所。長い間整備されていなかったが、遷都1300年に当たる年に大規模に整備された。　現在は濠や模造の城壁や櫓がある。　入場は無料。

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大坂城
復興天守
別名	錦城、金城
所在地	〒540　大阪府大阪市中央区大坂城1-1
種類	平城
築城者	豊臣秀吉
築城年	1583年
遺構	本丸、二の丸、石塁、外堀、内堀、櫓多数、門多数、御金蔵、模造天守五層八階
初訪問	1996年
備考	大坂城は、豊臣秀吉が築いた。外郭を含むと後楽園球場の500倍の広さだった。天守の屋根は金銀銅の瓦で葺いた為、遠くからも輝いて見えたという。しかし、この名城も夏の陣で炎上した。　大坂の城下も、秀吉が築いたものである。城の建築物は焼失したが、石垣などは残っている。豊臣家は人々に忘れられることはない。　それは幕府にとってまずかった。その為、同じ場所に新しく築くことを決めた。豊臣大坂城は地下深く埋められてしまう。　徳川天守は、名古屋城天守も越える巨大なもので、高さでは江戸城天守に次ぐものだった。しかし、幕府の天守は運が悪かった。江戸時代が始まってから半世紀も経たない内にどれも焼失してしまう。徳川大坂城天守も例外ではなかった。　天守は焼失してしまったが、幕末も多くの建物が残っていた。しかし、それらも1868年の戊辰戦争で焼けてしまった。　城内に13の重要文化財の建築物が残っているが、これだけでも奇跡と思わなくてはならない。　現在の天守は日本初の復興天守だが、当初からエレベータがあった。それまでは軍艦などでしか見られなかった為、当時の人にとっては珍しかっただろう。　1997年に天守の化粧直しが終了し、再公開された。　尚、「大坂」が現在の「大阪」と表記されるようになったのは明治から。したがって豊臣時代の城は「大坂城」と表記するのが正しいと思われる。
感想	最も近いJR駅は大阪公園駅。ここを出ると石垣や天守が直ぐ望める。　この城は、何度訪れても石垣の規模と石垣で使われている石材の大きさに驚かされる。　公園となっているので、本丸にも無料で入れる。ただ、天守と西の丸庭園は有料。天守の入場料は600円。あまりの高さに、石垣同様に驚く。西の丸庭園の入場料は200円。　大坂城は大阪のシンボルとされているが、近年は周辺に高層ビルが続々と建つようになり、城を壁のように囲んでしまっている。ちょっと離れると天守が見えなくなるのは残念。　英語版はこちら。
2005年

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岸和田城
模造天守
別名	千亀利城
所在地	大阪府岸和田市岸城町
種類	平城
築城者	松浦肥前守
築城年	1560年頃
遺構	石垣、水濠、模擬天守
初訪問	1998年
備考	現在の岸和田城がある場所には戦国時代頃から城が築かれていたが、紀伊徳川家の押さえの城として重視され、城は大幅に増築された。完成した近世岸和田城は5層天守を持つ本丸、二の丸、三の丸の総曲輪を持ち、東西370メートル、南北650メートルもあった。　5層天守は1827年の落雷で焼失し、それ以後は昭和に至るまで再建されなかった。古図では、天守は関ヶ原前に建てられたので下見板張りになっていて、現在の総漆喰塗りを模した鉄筋コンクリート天守とは似ても似つかぬものであった。「名城・古城事典」では5層の下見板張りの天守に建て直そうという計画もあると書いてあるが、頓挫してしまったようである。
感想	最寄の岸和田駅で下りたのはいいものの、道路標識などが全くなく、探すのに苦労した覚えがある。　城内には無料で入れる。模造天守は有料。400円だった。　岸和田というと、城よりだんじり祭りの方が有名らしい。

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岡城
二の丸の石垣。二の丸内の滝廉太郎像。登城途中で望める西の丸の石垣
別名	臥牛城（ｶﾞｷﾞｭｳｼﾞｮｳ）、豊後竹田城
所在地	大分県竹田市大字竹田
種類	山城
築城者	緒方惟義
築城年	1185年
遺構	本丸、二の丸、三の丸、西の丸、石垣
初訪問	2011年5月
備考	1185年に緒方惟義が源頼朝に追われた源義経を迎える為に築城した事が岡城の始まりとされる。その山城は、南北朝時代の1334年に後醍醐天皇の支持を受けた大友氏一族の志賀貞朝によって拡張された。　1586年、先に耳川の戦いで敗れ衰退した大友氏を下すべく、薩摩の島津氏が豊後府内に迫る中、岡城のみは志賀親次の指揮で再三にわたり島津軍を撃退。親次はその功績から豊臣秀吉より1587年正月3日付けの褒状を受けている。　1593年の文禄の役で大友吉統が秀吉から鳳山撤退を責められ所領を没収されると、大友氏重臣の親次も岡城を去る事となった。親次は福島正則の下に身を寄せ、34歳で没している。　1594年に播磨国三木から中川秀成が移封され、入城後に3年がかりで大規模な修築を施した。志賀氏時代の城域の西側天神山に本丸・二の丸・三の丸御殿・櫓を造営し、城の西側を拡張、重臣屋敷群を設けた。本丸に御三階櫓を設けた。　しかし、岩盤の台地の上に築かれた為、台風や地震、火事等の被害を多く受ける。特に8代中川久貞の明和年間（1764年～1771年）には城内の大半を焼く大火が起きている。　明治維新後、廃城令によって廃城とされ、1871年から翌年にかけて城内の建造物は全て破却され、現在残っているのは高く積み上げられた石垣のみ。　岡城の築かれた天神山は標高325メートル、比高95メートル。　城域は東西2500メートル、南北362メートル、総面積は23万4000平方メートルに及んだ。
感想	最寄の豊後竹田駅から岡城まで、直線距離で2キロ程あるが、行き先を示す標識があるので、それらさえ見落とさなければ問題なくたどり着ける。　城跡には現存建築はなく、復元建築もない。が、入場料は有料で、300円必要（駐車場の奥に管理事務所があり、そこで支払う）。そこから城へと目指す。城への道は、管理事務所から右へ向かって大手門から入るルート、左に向かって西の丸北部から入るルートがある。本丸へ急ぎたい場合、西の丸北部ルートは遠回りになってしまうが、西の丸北部ルートの方が城の規模を理解し易い。　城は、本丸・二の丸・三の丸・西の丸が全て山頂にあり、よくこんな高地に近世城郭を築いたな、と感心させる。　現存建築はないものの、石垣等の整備は行き届いている。流石有料なだけはある。　二の丸にはこの城をヒントに「荒城の月」を作曲したとされる滝廉太郎の銅像がある。　城は国道502号線岡城バイパスを見下ろすが、道路は表面に特殊加工が施され、自動車が通る度に「荒城の月」が響き、その音色は城にまで届く。
管理事務所から望める西の丸石垣。近戸門跡　　西の丸から望む山々。西の丸の石垣　　大手門跡　　三の丸から望む本丸石垣。本丸石垣　　本丸石垣（奥に三重櫓跡）。清水門跡辺りから望む二の丸石垣　　本丸から望む三の丸（左に三重櫓跡）。二の丸から望む三の丸石垣　　二の丸から望む本丸石垣。岡城の図

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臼杵城
復元大門櫓
別名	丹生島城、巨亀城、金亀城、亀城
所在地	大分県臼杵市大字臼杵
種類	連郭式平山城（海城）
築城者	大友宗麟
築城年	1562年
遺構	本丸、二の丸、三の丸、石垣、畳櫓、卯寅口門櫓
初訪問	2011年5月
備考	臼杵城は、戦国時代の1562年、府内大友館より拠点を移したキリシタン大名大友宗麟により、臼杵湾に浮かぶ丹生島に築かれた平山城である。　臼杵城は本来宗麟の隠居城であったが、宗麟が実権を握り続けた事もあり、大友氏支配域の中心地となった。　大友氏は、鹿児島から勢力を広げていた島津氏と対立する。1578年、臼杵城は島津軍によって攻略される。臼杵城は攻撃に耐えたものの、城下町は灰燼と化した。臼杵をキリシタンの理想郷として整備した宗麟はそれを見てショックを受け、翌年病死してしまう。　臼杵城は、大友氏の臣下太田氏が入るが、大友氏が関が原の戦いで西軍に着いた事で改易されると、太田氏も臼杵を去る。　その後、郡上八幡より5万石で稲葉貞通が入封した。以降、明治維新まで、稲葉氏15代の居城となった。　城には3層4階の天守と31基の櫓が上げられた。総二階造り（上下階の平面が同規模）の重箱と呼ばれる形状をした二重櫓が特徴的であった。廃藩後は天守以下建物は一部を残し取り壊され、周囲の海も埋め立てられた。
感想	JR臼杵駅から出て北に真っ直ぐ300メートル程進むと、左に小高い丘が望める。　それこそが現在臼杵公園となっている臼杵城址（正確には臼杵城本丸・二の丸跡。三の丸はほぼ完全に市街地化している）。　正門となる大手口は西側、裏門といえる卯寅口門は東側に当たる。駅からは、裏門の卯寅口門が最も近くなる。　卯寅口門辺り周辺は、明治以前は海だったが、現在は埋め立てられて市街地化し、その面影はない。　臼杵城本丸・二の丸が元は島を利用したものだ、という実感も沸き難い。　ただ、城跡は城址公園としてそれなりに整備され、天守台や石垣の保存状態は悪くはない。　殆どの城では本丸を一番高いところに置くが、この城では本丸と二の丸の高低差が殆どない。そうした地形をそのまま利用したと思われる。　現存建築の畳櫓と卯寅口門櫓は、それぞれ城跡の西端と東端にある。一般的な多層櫓建築とは異なり、一階と二階の床面積が同じで、箱の形状をしているのが特徴。畳櫓の近くに、大門櫓が復元されている。　公園の規模はかなりあり、城自体もかなりの規模であったのを窺わせる。　城の周囲は直ぐ住宅地となっていて、城跡に沿って周囲を歩けないのは問題。
畳櫓。二の丸から望む天守台　　現存建築の畳櫓。畳櫓を鐙坂から望む。卯寅口門櫓　　卯寅口門櫓。卯寅口門櫓周辺　　天守台　　二の丸北側の石垣　　二の丸北側の石垣。復元大門櫓と鐙坂（右の木の裏に畳櫓が）　　畳櫓。復元大門櫓　　時鐘櫓跡。二の丸石垣と畳櫓　　二の丸から見る大門櫓。二の丸にある国崩し　　二の丸内の臼杵護国神社。着見櫓跡（その向こうは本来海が見えていた筈だが、現在は市街地に）　　会所櫓跡。空堀の本丸側の石垣　　空堀から二の丸・本丸を結ぶ土橋を望む。復元大門櫓、時鐘櫓跡。城内にあった臼杵城の図下の中央の図が17世紀の臼杵城、下の右の図が幕末の臼杵城三の丸が大幅に拡張されていて、江戸時代にも埋め立てが行われていたのが分かる

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大友館
土塁跡の上にある石碑
別名	上原館（ｳｴﾉﾊﾙﾔｶﾀ）
所在地	大分県大分上野丘西
種類	平山城
築城者	大友氏
築城年
遺構	土塁
初訪問	2011年5月
備考	中世に豊後国守護となった大友氏泰は、現在の大分市市街地の東部、大分川の河口であった付近（現在の大分市顕徳町）に館を構えた。　この館を中心とする大友氏の城下町は府内と呼ばれる様になる。その中心となる大友氏館は一辺約200メートルの四辺形で、典型的な守護館であったと推定されている。　最盛期には九州全域をほぼ手中の収めた第21代当主大友宗麟はキリスト教を保護し、明との貿易や南蛮貿易を行った。戦国時代の府内は大友氏の城下町として、そして外国との貿易港として栄え、南蛮文化が花開く。　しかし、1586年の島津家久の侵攻の際に焼き討ちに遭い、壊滅した。
感想	大友館は、JR大分駅の南500メートル程の高台にある。　天満宮の鳥居を潜って石段を上がったところに、大友館跡を記す石碑がある。　高台になっているが、そこは大友館の南端の土塁跡で、その向こうに広がる住宅地に館があったと思われる。　それ以外の館跡は現在住宅地と化していて、面影はまるでない。
大友館土塁跡への入り口。土塁跡への石段　　大友館跡として整備されている土塁跡「現在位置」が石碑が立っている場所で、石段は空掘があった場所を渡している事になる「大友館」や「大手口」があった場所は現在住宅地となっている

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