ボディ編 ここで紹介されているカメラは津村巧が所有する、 もしくは所有していた一眼レフカメラのボディです。 このセクションのカメラ |
製造国 |
日本 |
発売時期 |
1988年5月 |
希望小売価格 |
80000円 |
種類 |
35ミリAF一眼レフ |
レンズマウント |
ミノルタAマウント |
シャッター速度 |
1/4000から1/30秒 |
内臓ストロボ |
無 |
電池 |
リチウム電池2CR5 1個 |
寸法、重量 |
153
x 93 x 69 mm 590
g |
2004年の中古カメラ雑誌「カメラGET」で中古カメラの読者モニターを募集していたので、何気なく応募したら当選した。 何の知らせもなく突然届いたので、びっくりした。「当選は発送をもってお知らせします」という断り書きをよく見かけるが、本当らしい。 状態は「並み」と紹介されていたが、まさに「並み」だった。最悪、という状態ではないが、一目で中古と分かる、くたびれた状態。新同状態だと使うどころか触るのさえ勿体無くなるが、これならガンガン使っても罪悪感は生まれないので、むしろいいかも。 カメラには新品の電池が入っていたので、動作を簡単にチェック。付属レンズの状態も、AFの性能も、良好だった。 梱包用の箱に同封されていた仕様書を読んでみた。少なくとも、使い方は現在のAFフィルム一眼と変わらない。当然といえば当然だが。 形や大きさや操作性は、以前買ったα-8700i MIRとほぼ同じのようである。最大の性能的な違いは、こちらが1/4000秒までのシャッター速度に対し、α-8700i MIRは1/8000秒まであること。 長所 1. 握り易いグリップ 2. 15年以上前に発売されたとは思えない性能 3. 設定をいじっても、Pボタンを押せば全ての設定が即座にPモードに戻る。S-1にも同様の機能が 4. シャッターボタンを押した時の音がいい。「シャキィーンンン」といった、甲高い音。このところデジタル一眼を使ってばかりいたので、この音は新鮮に感じた。 短所 1. コマンドダイヤルの代わりにアップダウンレバーが。コマンドダイヤルに慣れているので、何となく違和感が 2. プラスチック外装 3. 電池室の蓋が蝶番で繋がっておらず、外れるようになっている。紛失しないか心配。開けるのにコインが必要で、電池の入れ替えも手間取る。 4. モード設定がダイヤルではなく、ボタン式。ダイヤルの方がモード切り替えが手っ取り早いと思うが 5. ストロボが内蔵されていない。現在のミノルタ一眼には、フラグシップのα-9にもストロボが内蔵されているのだが…… カメラGETの出版社学研の封筒と一緒に フードを装着した状態。フードを付けるとレンズキャップの脱着がし難く、レンズキャップを付けているとフードの脱着ができない。面倒なのでフードは使わないことにした フードを外した状態 グリップが大きめ 裏 裏蓋を開けた状態 |
製造国 |
ウクライナ |
発売時期 |
1977年 |
希望小売価格 |
10870円 |
種類 |
35ミリAF一眼レフ |
レンズマウント |
Nikon
Fマウント |
シャッター速度 |
1/1000から1/30秒 |
内臓ストロボ |
無 |
電池 |
|
寸法、重量 |
148
x 102 x 90 mm 950
g(レンズ付き) |
ネットを何気なく観ていたところ、以前ゼニットETを購入したサイトで、キエフ17を販売していた。 9800円(送料別)。あまり高くない。 それより重要だったのは、レンズ付き(ヘリオス-81C 50mm F2.0)、ということだった。 以前キエフ19を購入したが、装着できるレンズがなかったのだ(ニコンFマウントを採用しているが、純正レンズを装着すると外せなくなる、と聞いていた)。 直ちにメールを送った。 届いたのは5月の連休明け。送料込みで10870円。 早速開けて、状態をチェック。カメラケース付きだった。 状態は、キエフ19ほどではないが、悪くない。まあ、普通だろう。 以前買った本「ロシア製カメラ&中国製カメラの攻略ガイド」では、最高シャッター速度が1/1000秒までのキエフ17をそれなりに評価する一方、最高シャッター速度を1/500にまで落とした後継機キエフ19をボロクソに貶していたが、二台を比べてみると、キエフ19がそう悪いとは思えない。 むしろボディデザインは後発のキエフ19の方が良く、使い易い感じがした。 長所 1. 金属製 2. ニコンFマウント 3. シャッター速度が最高で1/1000秒 短所 1. ニコンFマウントを一応採用しているが、純正ニコンレンズ(特にAFレンズ)を装着すると取り外せなくなる 2. シャッター速度ダイヤルやフィルム巻き戻しボタンなどが変な場所にある 3. シャッターボタンのストロークが短く、シャッターが切り難い 4. 巻き上げレバーが戻り過ぎてペンタに当たり、傷ができてしまう 表 表 裏 巻き上げレバーがペンタと接触し、傷の原因に 巻き戻しクランク 裏蓋を開けた状態 |
製造国 |
日本 |
発売時期 |
2002年6月 |
希望小売価格 |
310000円 |
種類 |
デジタルAF一眼レフ |
レンズマウント |
Nikon
Fマウント |
シャッター速度 |
1/4000から30秒 |
内臓ストロボ |
有 |
電池 |
リチウム電池CR123A、単三電池 |
寸法、重量 |
141.5
x 131 x 79.5 mm 760
g(レンズ付き) |
2004年6月、 どんな店かな、と思ってみてみた。これまでの電器店と特に違いはなかったが、デジタル一眼売り場は充実していた。主要デジタル一眼が全て展示されていて、自由に触れるようになっていたのである。 店頭価格でも30万、50万するようなデジタル一眼を触りまくっていたところ、奥に「FUJIFILM
FINEPIX S2 PRO 78000円」の張り紙が。どうやら展示品を処分しているらしい。 通常の販売価格は18万円前後。78000円は、展示品という点を考慮しても安い。中古品でもこれほどの価格では買えない。 バーゲンと言えた。 といっても、ほいほい出せる金でもない。 1時間くらい悩んだ末、店員に箱の中を開けてもらい、中身を確認した上で購入。本体だけでは意味ないので、専用ACアダプターを3360円で購入(クリーニングの際のミラーアップで必要)。トータルで81360円だった。 操作感は、D100と比較すると劣るが、最悪という訳でもないようである(下記の短所参照)。 追記2004/11: 短所6の部分で、本機のレスポンスが悪く、使い物にならない、と書いてしまったようだが、それはあくまでも撮影会で使った場合。旅先など、風景写真を撮る場合は特に気にならず、むしろそこそこ使えるカメラだ、と感じた。無論、D100と比較すると使い勝手は劣るが。 長所 1. 600万画素だが、FUJIFILM独自の画像処理により1200万画素の画像を得られる 2. ニコンFマウントを採用しており、VRにも対応している 3. ボディ部分はベースのF80そのものなので、F80と併用しても違和感はなさそう 4. 日本製 5. D100で撮影した画像も問題なく再生できる 短所 1. リチウム電池CR123Aと、単三電池という二系統の電池が必要。緊急時には単三電池だけでも撮影が可能だが、電池消耗が高くなる上、一部の機能が使えなくなる 2. Proという名はついているものの、ボディ外装はプラスチックで、質感に乏しいという意見も 3. フィルムカメラニコンF80にデジタル部を追加した、という設計なので、全体的に大柄。F80をベースにしながらも再設計して製品化したD100と比べると、かなり大きい 4. 縦位置グリップが装着できず、用意されてもいない。縦位置シャッターボタンがないのは、「プロ用機器」としてはどうかね 5. 1200万画素にすると、JPEG画像は4000から5000KBにもなり、再生に時間がかかる 6. レスポンスが悪い。画像の記録で待たされるし、再生でも待たされる。再生では粗画像がまず現れ、砂時計が画像にスーパーインポーズされ、暫く経った後拡大可能な画像となる。時間を急ぐ必要のない撮影はともかく、シャッターをバシャバシャ切った上で撮った画像を即座に確認しなければならない、といった状況では使えない。個人的には風景撮影専用になりそう。といっても、これ一台で旅行に行けるか、となると疑問(下記の2004/11追記参照) 7. 上記で、操作感はD100と比較すると劣るが、最悪という訳でもない、とした。ただ、いざ使ってみると操作感はそんなに良くない。再生すると、元のメニューにどうやって戻ればいいのか分からない。メニューにそもそも一括感がなく、何度触っても慣れない。(2004/11) 箱。ちょっとくたびれていた 開封されてはいたが、展示品ではなかったようである。開封された後返品されたのか? ボディ上部はF80そっくり モニタは左端にあり、何となく使い難そう TAMRON 28-105を装着した状態 TAMRON 28-105を装着した状態 上から見た状態。F80そっくり SIGMA 28-80を装着した状態 Nikkor AF-S VR 24-120を装着した状態 |
製造国 |
日本 |
発売時期 |
1967年6月 |
希望小売価格 |
37900円(発売当時) |
種類 |
MF一眼レフ |
レンズマウント |
ミノルタSRマウント |
シャッター速度 |
1/1000から1秒 |
内臓ストロボ |
無 |
電池 |
|
寸法、重量 |
145
x 88.5 x 47.5 mm(ボディのみ) 830
g(レンズMC ROKKOR PF付き) |
正確には、自分のカメラではなく、父のカメラ。 MC ROKKOR PF F1.7 55mmと、KOMURA SUPER
F5 300mmのレンズを所有していた。MC ROKKOR PF F1.7 55mmは、ボディとセットになって販売されていたらしい。 中古で購入したが、それでもかなり高かったそうだ。 それ以上に、KOMURA SUPER F5-32 300mmの方が高かった、と言っていた(聞いたことないメーカーである。コムラー(三協光機)というらしい。)。 皮製のカメラケースに入っている点は、古さを感じさせる。 SR-1sは、ミノルタの中級一眼レフSR-1の改良版。SR-1より一回り小さくなった上、最高シャッター速度が1/500秒から1/1000秒になった。シャッター速度においては、上級機SR-T101と同じになったのである。 長所 1. 日本製 2. 金属製 3. 電池がなくてもシャッターが切れる 短所 1. 大きさの割には重い 2. 現在だと最高シャッター速度1/1000秒は物足りないとされるのでは? 標準レンズMC ROKKOR
PF F1.7 55mmを装着した状態 標準レンズMC ROKKOR
PF F1.7 55mmを装着した状態 裏 裏 上 裏蓋を開けた状態 KOMURA SUPER F5
300mmを装着した状態 |
製造国 |
日本 |
発売時期 |
1996年10月 |
希望小売価格 |
325000円 |
種類 |
AF一眼レフ |
レンズマウント |
ニコンFマウント |
シャッター速度 |
1/8000から30秒 |
内臓ストロボ |
無 |
電池 |
単3ホルダーMS-30(アルカリ乾電池・リチウム電池8本使用) 標準装備ニッケル水素電池MN-30(別売品) |
寸法、重量 |
約158×149×79mm 約1210g(ボディのみ、電池除く) |
低価格・高性能デジタル一眼レフが続々と発売され、アマ・プロ問わずデジタルに移行し、「フィルムカメラはもう終わり。少なくともプロ用フィルム一眼レフが販売されることはもうない。ニコンのF一桁(フラグシップ)もF5が最後」と誰もが思っていた2004年10月。 ニコンF6が発売された。 F5は旧モデルとなってしまった。正統な後継機を残して……。 ……という訳だが、新型のF6がF5の正統な後継機なのか、というとちょっと疑問が。 F一桁は、基本的にプロ、しかも報道での使用を前提に開発された機種。 歴代F1桁を、ニコンはアマチュアや報道関係以外のプロを念頭に開発したことはないと思われる。 F5を縦位置グリップ一体型にすることにしたのも、脱着式のF4では荒く使われがちな報道現場で充分な堅牢性を確保できないと感じたから(報道カメラマンからそのような指摘があったと思われる)。歴代のF1桁がロック機構だらけなのも、報道の現場では誤操作が許されなかったから(その割にはロック機構を省いた特注モデルが多く存在するが)。 元々報道現場用でないのに、それ以外の使用者が「でかい、重い、操作し難い」とケチを付けるのは、ニコンにとって心外だっただろう。 F一桁は、あくまでも報道での使用を前提としたプロ用一眼レフだったが、F5が販売されてから、時代は急激に変化。 デジタルの台頭である。 F5が発売された頃、デジタルカメラは非常に高価で、特殊な用途でしか使われなかった。が、F5のモデルサイクル末期の頃にはフィルムカメラの販売台数とデジタルカメラの販売台数が完全に逆転。カメラメーカーは続々とフィルムカメラ事業から撤退した。 本来F一桁の顧客だった筈の報道カメラマンも、デジタルに移行。 報道現場でフィルムカメラが使われる時代は終わった。 そんなところにF6が登場。 しかし、シリーズの主力の顧客だった報道カメラマンらからの需要はもう見込めない。 F6は「デジタル時代にあえてフィルムを使うプロ、あるいは使わざるを得ないプロ」、「フィルムをあえて利用したがるアマチュア」、……とターゲットをシフトしなければならなかった。報道現場での使用を前提にしていない初のF一桁となったのだ。 そんな訳で、F6はF4で充分な堅牢性が得られないとして捨てられた縦位置グリップ脱着式に回帰。誤操作を防止する為のロック機構を省略し、確実性より操作性を重視。 F6は、F一桁の名を引き継いでいるものの、ターゲットとなる顧客はこれまでと全く異なる。 その意味では、F5は「真のF一桁の最終機」と言える。 F一桁でAFを初めて採用したのはF4だが、F4は時代的・技術的に見ても「AFも装備したMFカメラ」で、AFカメラと称するにはまだ完成度が低かった。事実、それから数ヵ月後に販売された下位モデルF-401の方がAF精度が高かったほど。 ニコンとしては、最初のプロ用AFフィルム一眼レフと名乗れるのは、F5。上述した通り、後継機のF6は必ずしも「プロ用」とは言えないので、F5はニコン最後のプロ用AFフィルム一眼レフでもあると言える。 ……とえらいことを言ってみた。 F6が2004年10月に登場した時、まずいと自分は思った。いずれニコンのフラグシップF5を買っておきたい、と考えていたのだ(使う気も、使う技量もないにも拘わらず)。無論、新品で。せっかく現行機なのに、中古で買うのは意味ない。 しかし、後継機種が出た以上、旧モデルとなったF5が近々生産終了になるのは確実。 その前に買っておかなければならない。 が、さすがニコンとあって、後継機が出てもF5の販売価格が一向に下がる気配がない。このままだと買う前に生産が終了して入手できなくなる、と焦った。 そんなところ、送料含めて20万以下に収まる店を見付けたので、購入を決めた。「販売終了」にならないことを祈りつつ、資金を集めた。 そして注文。この店は以前レンズ(80-400VR)を注文してみたものの「在庫がありません」と断られたネットショップ。大丈夫かな、と危惧したが、すんなりと受理され、送られてきた。2005年1月のこと。 F5のデモ機を店で手にしたことはあるが、じっくりと手にとって見ることができたのは、この時が初めて。 この時点ではバッテリーグリップ付きのデジタル一眼レフD100を散々使っていたので、F5を手にしてみても「物凄く大きくて重い」とは感じなかった。むしろ、「あれ、意外と小さい」と思ったほど。 化粧箱もD100のうすらでかい化粧箱を見ているので、「こんなに小さいの?」と思ってしまった。 が、カメラそのものの存在感というか、質感はD100とは雲泥の差で、「さすがF一桁」と納得させられた。 2005年1月の段階では、自分がF5一台に投じた資金でデジタル一眼D70を1台とオリンパスE-300のレンズキットを1式買っても(いずれも欲しい)なおお釣りが返ってくるほど高い買い物だった。 しかし、F5を買って損した、という気にはならなかった。 思えば、このF5は初めて購入した現行(2005年1月の時点で)のニコンフィルム一眼レフ(これまで買ったのはデジタル、あるいは中古・デッドストック)。我ながら凄いと思う。 F5は一モデルしかないが、Fシリーズ50周年を記念して限定版が販売された。外観的には色、ロゴが通常モデルと異なる。 また、F5をベースにしたデジタル一眼レフが、コダック社から販売されたこともある(DCS620、DCS620X、DCS660、DCS760)。 長所 1. 日本製 2. 金属製 3. 圧倒的な堅牢性を誇る。耐久性も高く、シャッターは15万回の作動を可能にしている。 4. 性能・機能の割にはコンパクト・軽量に仕上がっている 5. 縦位置シャッターボタンが標準装備されている 6. 専用ニッケル水素電池を使用すれば、本体のみで秒間約8コマが可能。アルカリ乾電池(8個)でも約7.4コマが可能 短所 1. ロック機構が多く、よほど慣れていないととっさの操作は無理 2. コンパクトに仕上がってはいるが、いざ使うとなるとやはり大きく、重い。縦位置シャッター・グリップは先代機のF4のように必要に応じて脱着できず、「性能を多少犠牲にしてもいいから小型・軽量化したい」ということができない。この問題点は各方面から指摘されたらしく、後継機のF6は再び縦位置シャッター・グリップが脱着式になった 3. 付属のストラップがびっくりするほど貧弱。D100のストラップの方がマシ。使用者がプロ用ストラップをなぜ欲しがるのか分かった感じ 4. アルカリ乾電池が8個も必要で、装填するとかなり重くなる 化粧箱。コンパクト 予想以上にコンパクトに仕上がっている 別角度から 上部 液晶ディスプレイとシャッターボタン 巻き戻しクランク。F1桁の象徴 裏側 裏豚を開けたところ F5とD100。バッテリーグリップ付きのD100と比較した場合、F5も極端に大きいという訳ではなくなる Nikkor 24-120VR付きのF5 Nikkor 24-120VR付きのF5 大きなペンタ部 |
製造国 |
タイ国 |
発売時期 |
2004年3月 |
希望小売価格 |
150000円 |
種類 |
AF一眼レフ |
レンズマウント |
ニコンFマウント |
シャッター速度 |
1/8000から30秒 |
内臓ストロボ |
有 |
電池 |
Li-ionリチャージャブルバッテリーEN-EL3(およびクイックチャージャーMH-18)使用 CR2型リチウム電池3本(CR2ホルダMS-D70
併用) |
寸法、重量 |
約140×111×78mm 約595g(ボディのみ、電池除く) |
D100発売(2002年)から1年半。フィルムカメラだったらまだ「新品」で通せる段階だが、進歩の早いデジタル製品だとそうはいかない。ライバルのキャノンが低価格機KISS DIGITALを発売したことから、ニコンはどんな手を打つのかと思われていたが……。 D70が発売された。 直接のライバルとされたKISS DIGITALは、当時の中級機10D(KISS
DIGITALの半年前に発売)を食わないよう、性能を意図的に制限した部分が多かった。質感の悪さも相まって、初めてデジタル一眼を使う者はともかく、ある程度の知識がある者にとっては到底満足できない代物だった。 一方、ニコンの場合、中級機D100は既に2年近く前の機種で、仮に下級機D70が性能を上回っていても、「2年間の技術の進歩」というメーカー側の主張を消費者が受け入れられる状況が整っていた。いや、それどころかD100を上回る性能を消費者も求めていた。 D70はD100を小型軽量化した上に各部をブラッシュアップして弱点を潰した感じのカメラとして仕上がった。 D70は価格以上の性能を持つデジタル一眼として、初級ユーザーにも上級ユーザーにも受け入れられた。キャノンがKISS DIGITAL、10D(当時)の2台体制で挑まなければ初級ユーザーと上級ユーザーを取り込めなかったのは対照的だった(別の見方をすれば、キャノンは2機種も開発・販売する予算的余裕がある一方、ニコンは全てをたった1機種でまかなうしかないということになる)。 キャノンのデジタル一眼は2005年3月には中級機が20D、初級機がKISS DIGITAL Nにバトンタッチしたが、ニコンはまだまだD70で稼ぐつもりのようである。 自分が購入したのは2005年2月。ネットでの価格が送料抜きで69700円(送料などを含めると71580円)になったから。レンズセットも提供されていたが、既に標準レンズを持っているので、必要なしと判断。ボディのみ購入した。 箱が小さくなったな、が率直な意見。 追記: 2005年4月に早くも改良版のD70sが発売。AFのブラッシュアップや、背面モニタの大型化がなされている。 長所 1. D100と比較して軽量・コンパクト・低価半分。にも拘わらず、性能はほぼ同じ。 2. D100の高い操作性を引き継いでいる 3. バッテリー、記録媒体、ACアダプターなどのアクセサリーもD100を引き継いでいる 4. 電池持ちが良い。また、CR2の使用を可能にするアダプターも付いている。このアダプターには転用防止用の突起部がある為、D100には入れられないようになっている。 短所 1. タイ国製。発売直後の購入をためらわせたのはこの点。今も最大の難点。 2. 縦位置グリップが用意されていない。これは発売直後から指摘されてきた。ライバル機のKISS
DIGITALでは縦位置グリップがきちんと用意された。 3. D100と比較すると軽量・コンパクトだが、他社の同価格の機種と比べるとそうでもないどころか、むしろ大きい方 4. D100との最大の違いが、ペンタ部。D100はペンタプリズムを採用しているが、D70は安く軽量に仕上がるペンタミラーを採用。その代償として、ファインダーが暗いと批判されることに。AFを使っている限りでは大丈夫だと思うが。 5. 説明書の分厚さ。D100の説明書は214ページ。それに対し、D70の説明書は260ページ。それに紙質の違いも加わってか、厚みに2倍の差が。 6. D100と比較すると小型・軽量だが、他社から続々と出されているデジタル一眼と比較すると大きく、重い。 箱。かなり小さくなった 表 上部 裏 コマンドダイヤル VR24-120mmを装着 VR24-120mmを装着 D70(左)とD100(右) D70(左)とD100(右) D70(左)とD100(右) |